小説「津軽百年食堂」の第一章にこんなことが書かれた一節がある。
『賢治は(~~~中略~~~)弘前城下の「十文字」と呼ばれる賑やかな馬車道の交差点で、露店の蕎麦屋をはじめたのだった。』
これは正しく、旧尾上町の中心地である「十文字」の馬車場前に開業して現在4代目の「大十食堂」を地理的なイメージとして参考に物語を書き上げたもと思われます。
津軽を代表する人気店であり、創業120年という県内最古参の大衆食堂である。
店内はカウンター席が6つ、4人掛けテーブルが3つ、座敷が5つと結構な集客力があり、お客さんは入れ替わりどんどん入ってくる繁盛店だ。
今回食べた中華そばは、スープをまず飲んでみると豚骨の丁寧な旨味が最初にやってきて、優しい焼干しの風味がほのかに感じて全体的に上品だ。
それに合わせる自家製の手打ち風縮れ麺はツルンと喉越しがいい。具は堅めチャーシュー、メンマ、ネギの他に、ナルトが見た目にいいアクセントになっている。
食べてみてものすごく心が落ち着く味だ。
その小説に登場するヒロイン「トヨ」が青森から電車に乗って焼干しを背負って「十文字」に売りに来るシーンを思い出してしまった。
「Aセット」はハーフの中華そばと、この辺の名物である太麺の焼きそばに、おにぎりとおしんこが付いてきます。
ラードで炒めた焼きそばはツヤツヤ輝いて濃厚な味付けがバッチリ旨い!
普段ラーメンしか食べないラーメンマニアにも(そんな人がいるかな?)、ぜひこの焼きそばを食べて欲しい。
炭水化物のフルコースのような昼食でしたが、大満足です。近くにこんな食堂があったら毎日でも通いたい。
平川市尾上栄松19-1
0172-57-2022
11:00~18:30
定休日 月曜日