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塩ラーメン 600円 正油ラーメン 600円
函館の二十間坂と路面電車通りが交差する角に「ランチの女王」というドラマのロケで「キッチン未来軒」として使われたブティックがある。
そこから函館港方向を見て斜め左に「来々軒」があり、看板には昭和10年創業と書かれている。
当初はカフェだったそうで、中に入るとその名残が随所に見受けられ、入店するなり圧倒されて足を止めてしまった。レトロという表現ではあまりにも言い足りないその雰囲気は「現存する最古の~」と冠がつきそう。
他のお客さんの注文を観察して分ったのだが「ラーメン一丁!」と言うとそれは矢張り塩ラーメンのことを差す。青森だと疑いも無く醤油ラーメンだがさすが函館だ。
スープはゲンコツと豚モモ肉で取っているらしく、とてもスッキリとして旨い。これほど透明感があって、これほど旨味が濃厚な塩ラーメンに出会ったのは初めてだ。
お店の人が言うにはスープに使ったモモ肉を途中で取り出し、砂糖や醤油などの味付けでフライパンで焼いてチャーシューを作るのだそうだ。
噛めばじんわりと美味しさが広がるこのチャーシューはかなり好みの味だ。
麺はツルツルしたストレートな中細麺で、あとはメンマとネギが入ったシンプルなものだ。
正油ラーメンは香ばしい風味が特徴的なスープで、色も味も濃く青森の人にも受け入れられる味だと思う。
昨年、いろんな映画・ドラマのロケ地巡りをしてこの辺を通ったのだが、このラーメン好きの自分がなぜこの店に入らなかったのか後悔。なんとなく損をした気分になり再訪を誓う。
函館市末広町16-3
0138-22-2803
営業時間:11:30~18:00
定休日:毎週 日/祝